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猫背、巻き肩・前肩とトレーニング その2 ~ どうして背中に効かないんだろう?

こんにちは、名古屋市瑞穂区のパーソナルトレーナー、S&Cコーチの田島雅彦です。



前回→(猫背、巻き肩・前肩とトレーニング その1 ~ なんで胸に効かないの?)の続きですが、猫背や巻き肩・前肩による肩・肩甲骨周りの柔軟性の低下の問題と、トレーニングで効果が出ないことについて。
一般にどうしても上半身というとベンチプレスなど胸のトレーニングや腕肩のトレーニングをまずやりたくなりますが、特に姿勢や柔軟性の問題が多い人ほど、まずは背中が重要になります。
 

しかし、背中のトレーニングも、肩・肩甲骨周りの柔軟性が不足していると、やっぱり背中の筋肉をしっかり使えないので、ただ胸の前に背中をやればいいという訳ではないですね。まずはある程度の柔軟性と可動域が必要になります。


大胸筋など全面の筋肉だけでなく、背中の筋肉(広背筋など)も硬くなると肩を前に押し出します。 


・背中も基本は肩を引く 
背中のトレーニングでは主なターゲットは広背筋や大円筋などになるのですが、柔軟性が足りないと肩を後ろに引けない、肩が前に出たままになるので、背中の筋肉をしっかり動員することが出来ず、肩や僧帽筋上部の力を強く使うことになります。(背中・上半身のトレーニングだけでなくデッドリフトなどでもそうなります。)

   



猫背や巻き肩・前肩気味の方はしっかりトレーニングしている方でも背中以上に僧帽筋上部が極端に発達していることが多いです。こちらもやっぱり体が硬かったり姿勢が悪くても重い重量でトレーニングできる人もいるし、高重量を扱えるようになれば広背筋などにもある程度刺激は入るので、背中もそれなりに発達はするのですが、こういう傾向があると、肩・肩甲骨周りの可動域がさらに失われ、肩・肩甲骨から胸郭周り、上半身全体の機能的な動きが損なわれてしまいます。

分かりやすい例だと、それこそ頭の真上まで手を挙げることが出来ない、バンザイしても頭より前のあたりまでしか腕が上がらなかったりする。結局そういうことが、肩の痛みや怪我、あるいは肩こりなど、肩回りの問題を起こす原因となる可能性があるんです。
 
 
僧帽が発達すること自体が悪いわけではないのですが、背中(広背筋)をトレーニングしているにもかかわらず背中以上に肩・僧帽に効いてしまうという方は注意が必要です。スポーツのためにトレーニングをしている人なら尚更気を付けなければいけないでしょう。
 





・肩は上げちゃダメ
そしてまた、柔軟性があっても、「力み癖」があると力を入れた時に肩が上がるのは、背中のトレーニングでも同じです。力を入れると肩・肩甲骨を挙上してしまう(非常に多いです)。その状態でトレーニングを続けると、結局柔軟性が不足した状態(上記)とほとんど同じことが起こって、さらに柔軟性と可動域も失われていってしまいます。

この癖があると、懸垂なんかは全然回数をこなせないですね。(柔軟性は高いけど挙上癖のあるタイプの人は大きく発達する以前に肩が痛くなったり、そもそも重い物が扱えないことの方が多いように思います。)
 



肩甲骨の動きと、プルとロー
柔軟性や「力み」の問題が胸や肩と同じであるなら、なぜ胸より背中のトレーニングを優先せねばならないかというと、肩を引き、胸を張り背中を寄せる(肩甲骨の内転下制)というのは、背中の筋肉の力を使うことに他ならないからです。
そして体の前にある筋肉(胸・肩など)より後ろにある筋肉(広背筋など)の方が意識することが難しい。しかし、しっかり背中の意識が出来ていなければ、胸や肩などのトレーニングも安定させることが出来ない。
 
なので上半身のトレーニングは背中から、背中(の寄せ)を作るところから、という事が重要になります。さらにスクワットやデッドリフトなど、下半身のトレーニングでも、安定した背中を作ることは実は非常に重要な要素です。


 

しっかり背中を作るためにやるべき手順は、まずは体操などで力みなく肩甲骨を柔らかく動かし、トレーニングでは「プル」で能動的に肩甲骨を下制すること(肩を下げること)を覚え、「ロー」で肩甲骨を下制したまま肩を引くこと(内転)を覚える。
 
言葉で説明すると必要なのはこれだけです。ただ実際にやるうえでは、人それぞれ違った形で色んな課題が出てくるでしょう。
 


・上半身は背中から
まず関節の可動域と柔軟性、その上で適切な力の入れ方、動き方を身に付けなければ、良いトレーニングフォームは出来上がりません。フォームが悪ければ期待したような効果を得ることは難しいでしょう。

でも一方良いフォームを身につければ、しっかり狙った効果を得ることができ、また結果として姿勢の悪さなどの改善にもつながります。



きつい猫背などは腰・骨盤なども関わってくるので、肩甲骨周りだけでなく、下半身の問題も見ていかなければなりません。
でもその時もしっかり背中の寄せを作れる状態であれば、改善のためのエクササイズやトレーニングもスムーズに行えるようになります。


どうしても人間の体は前に偏りやすいように出来ています。なので背面はあえて意識して動かし、使えるようにする必要があります。


効率的にトレーニングを習得し、健康的・効果的にトレーニングをするためにも、


上半身のトレーニングは背中から、です。





※次の記事
→「猫背、巻き肩・前肩とトレーニング その3 ~ なんでスポーツでパフォーマンスが伸びないの?



 
※関連記事

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